2024年度全国通訳案内士試験二次口述(12/8)まで、あと10日です。
二次口述の重要な課題に「逐次通訳」があります。ご存知の通り、これには「読上げ終了後、直ちに訳出を開始し、1分(1分程度)以内に終了する」という「時間要件」が付いています。
二次口述特別動画セミナーの「通訳理論編」でも述べた通り、「通訳」に時間制限があるのは「あたりまえ」なのです。もし「時間制限さえなければ、問題文を書き取れるし、訳をゆっくり考えられるから、英訳できる」と考える人がいたら、それは「通訳」を「学校英作文」と混同している人です。
ただ、実際の受験者のレポートによると、「1分以内」については、①実際には1分30秒まで待ってもらえた、というケースが本試験で多いようです。
また、②試験委員の問題文の読み上げ速度は非常にゆっくりで、全文を書き取ることができた、というレポートもあります。
そうだとすれば、時間制限を守って通訳の練習をすることに意味がないようにも思われますが、果たしてそうでしょうか?
結論は「否」です。「訳出は直ちに開始し1分以内に終了」という要件は、守って練習すべきです。理由を以下に述べます。
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(1)試験実施団体の正式のドキュメント「予定内容について」によると、「1分程度」とされている。よって、いつでも「1分30秒」は「1分」に戻される可能性がある。
(2)問題文の長さは、もともと1分で十分に訳出できる分量で作られている(『過去問詳解』等に掲載されている解答例を時間を測りながら音読してみると分かる)。これに50%増しの時間を掛ける、というのは、たとえ訳せたとしても「デリバリーの流暢性に欠ける」として減点される可能性が高いし、そもそも訳し方が原理的に間違っている可能性が高く、訳の質も低いことが多い。
(3)読み上げがゆっくりだったので、全文を書き取ることができる、というレポートを当てにすることは「危険」である。なぜなら、まず読上げ速度は、試験委員によって異なる。
そして何より、全文を書き取ると、それを読むための時間が必要になってしまい、このため「時間要件」が守れなくなる。「問題文を書いたものが手元にあれば楽に訳せる」というは、実は間違いである。書面を目で追いながら同時に訳すのは「サイトトランスレーション」といって、プロの通訳者でも苦手とする人の多い、大変難しい技術である。
通訳は、あくまで「耳⇒脳⇒口」のルートで情報が流れるのが基本であり、「紙⇒目」というルートは、副次的に存在するに過ぎない。
よって、PEPではあくまで「1分」での訳出を練習するように、推奨しています。
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・来年(2025年)のPEP特製スケジュール帳ができました。
どなたでも無料でダウンロードできます。
これは、もともと私が個人レッスンのスケジュール管理をするために、自作したものです。
通常、起きている時間(朝6時~夜11時)を30分単位で管理できるようになっています。
時間帯には、受講者名、レッスンの名前、そのコマの課題、等、いろいろなことを手で書き込むので、ある程度の物理的な大きさが必要です。私は、このスケジュール帳をA3サイズに拡大し、それをヨコ見開きの装丁にして使っています。
作るのは結構大変だったのですが、市販のものには望めない使いやすさがあり、このスケジュール帳のおかげで、スケジューリングのミスは劇的に減りました。
使いやすさのついでに、教養が身に付く工夫がされています。
和風月名、祝日の英語名、干支の英語名、星座の英語名、等が載っていて、まさに「通訳ガイド用」です(笑)。
たとえば、外国人から “What’s your sign?” と尋ねられて、「え?」では、場が白けてしまいますよね。
これは「あなたは何座?」という質問で、答えは私なら “I’m a Leo. What’s yours?” (獅子座です。あなたは?)となります。
これに対し、相手が “I’m an Aries.” と答えたら、「牡羊座ね」となります。
このスモールトークができるためには、星座の名前を英語で知っておく必要がありますね。
ちなみに、占い関係は「血液型(占い)」が2015年度の二次口述プレゼンに出題されており、こうした話題は試験に出る可能性もあります。