英語学習者にとって、語彙は普遍の悩みですね。
たしかに、単語を知らなくても、推測したり、言い換えたりして、切り抜けられることもありますし、実際、そうすべきです。
ただ、それはアウトプットの場面のマインドセットです。インプットの場面では、不断の努力で語彙を増やすべきです。
ある英語の先生の言葉ですが「アウトプットは大胆に、インプットは繊細に」というのがあります。その通りと私も思います。
スキマ時間を活用した語彙増強ツールとして、私のお勧めが「PEP単語カード」です。
無料のPEPメルマガを購読いただいている皆さまには、無料でご提供していますね。
「PEP単語カード」には、Appendix があります(有料)。このたび、Appendix ④が新リリースされました。
表題の「貴腐ワイン」も、エントリーされています。
オンラインストアでどうぞ。
「PEP単語カード」は、「知ってるか知らないか」だけで勝負が決まる「単純な名詞」だけをカードで覚える、というコンセプトの教材です。
こうしたコンセプトを採用した理由は「単純な名詞を覚える」」目的が、「カード」という単純なツールと相性がいいから、です。
また、単純な名詞は「丸暗記」をすることが、勉強法として、有効かつ適切です。
すなわち、名詞は「知っている」だけで使えることが多いのに対し、名詞以外の単語、つまり動詞、形容詞、などは、日本語と英語の単語をそれぞれ対訳で覚えても、例文・文脈・文法語法知識がないと、「使いこなせない」ことが多い。
かといって、例文・文脈・文法語法知識を単語カードに書いていては、ごちゃごちゃしてしまって、「単純性」というカードの利点がなくなってしまいます。(単語カードを「作って」力尽きた、そんな青春の苦い思い出はありませんか?)
また、動詞や形容詞は、自分の知っている言葉に言い換えが効くことが多いが、名詞は「知っているか知らないか」だけで決まってしまうことが多い。
たとえば、「貴腐ワインは、大変高貴な味がする」を英訳するとしましょう。
この文は、「何は何である」という文ですので、いわゆるSVC構文で言えそうです。
主語になる「貴腐ワイン」のことは、botrytised wine、ないし noble rot wine といいます。
さて補語(述語)の形容詞「高貴な」は何にすればよいか。
「高貴」を和英辞典を引くと、high、noble、exalted、princely、といろいろ載っていますが、この場合どれが適切なのか、イマイチわかりません。
そんなときは、こう言ってしまいます。
Botrytised wine is good!
つまり、「貴腐ワイン」(名詞)は言い換えが効きにくいが、「高貴な」(形容詞)はgood に言い換えられる、ということですね。
よって、名詞は単純な丸暗記が可能かつ有効なので、スキマ時間を活用してカードで覚え、動詞や形容詞は読書を多くして、文脈の中で覚える、という学習戦略が成立するわけです。