太宰府天満宮の名物に「梅ヶ枝餅」(うめがえもち)があります。焼餅の中に餡子が入ったものです。「梅」は、菅原道真の好きであった花にちなんだ名前であり、梅の味はしません。私もしっかり食べてきました。
下は、梅ヶ枝餅の由来についてのWikipediaの説明です。
菅原道真が大宰府へ権帥として左遷され悄然としていた時に、安楽寺の門前で老婆が餅を売っていた。その老婆が元気を出して欲しいと道真に餅を供し、その餅が道真の好物になった。後に道真の死後、老婆が餅に梅の枝を添えて墓前に供えたのが始まりとされている。別の説では、菅原道真が左遷直後軟禁状態で、食事もままならなかったおり、老婆が道真が軟禁されていた部屋の格子ごしに餅を差し入れする際、手では届かないため梅の枝の先に刺して差し入れたというのが由来とされており、絵巻にものこっている。
太宰府天満宮の参道沿いには、梅ヶ枝餅を売る店が建ち並びます。
私は全く下調べせずに、適当にその時に空いていた店に飛び込んだのですが、その店が「松屋」でした。
ここは、江戸時代は薩摩藩の定宿として西郷隆盛などが泊まったという歴史ある店です。月照は勤王派の僧侶で、安政の大獄で幕府に追われます。京を逃れ、西郷隆盛を頼って薩摩に向かう途中の月照上人はここに匿われました。
薩摩藩は、島津斉彬の死後、幕府との対立を恐れて月照を匿うことを拒否します。
月照がここに泊まった翌月、1858年11月に、月照と西郷は、錦江湾で入水し、月照は死亡、西郷は助けられて息を吹き返し、奄美大島へ送られることになります。
松屋は、店内の喫茶店に入り、梅ヶ枝餅と抹茶のセットを注文すると、庭の見学をさせてもらえます。
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