訳すメリット

私は、英語学習者としては「純国産」です。海外経験はなく、中学英語から入り、次に資格試験の勉強をしました。

英語資格試験の最高峰とされる英検1級、通訳ガイド、等を取った後、自分の課題と感じたのが、英語のリスニングです。

資格は取れても、実際の英語が聞き取れない。

純国産の学習ルートを取った人は、とにかく「生の英語」の経験が少ないからです。

「生の英語」とは、英語学習者用の「教材英語」の反対概念です。つまり、英語ができることを前提に、求めるのは「情報」である、という人向けの英語ですね。

こうしたスピーチは、速かったり、教科書で習ったことのない表現を使われたり、時には語学的には間違いが含まれていたり、ということもあり、とにかく英語学習者への手加減というものがない。

また、情報を得るにあたって、前提となる知識が不足している、ということも、聴き取りができないことの大きな原因となります。

そうすると、対策としては、生の英語のスピードに慣れ、表現を覚え、知識を増やす、ということになります。

その手段として、私が学んだのが会議通訳の技術です。

通訳は聴き取りが命--これは、私が「全国通訳案内士試験二次口述特別動画セミナー」等で、常々最も強調していることですもあります。

全国通訳案内士試験二次口述で出される通訳課題は、日英通訳ですが、会議通訳では日英に加えて英日もあります。

つまり、会議通訳で英日の練習をすれば、否が応でも英語を必死に聞くわけですね。

訳すためには、とにかく、スピーチの内容の120%理解を目指さなければならない。そうすると、背景知識習得の勉強にも身が入ります。

また、通訳は仕事である以上、アウトプットしてなんぼ、なので、スピーキングは当然のように行うことになります。

 

このように、通訳を学ぶと、英語のリスニング、スピーキングが伸び、知識が増えます。

さらに、通訳ができれば、英語を使った仕事の幅も広がります。

よって、資格試験合格後のさらなる上を目指した学習を考えておられる方は、通訳を学んでみるのもよいのではないかと思います。

学習法ですが、通訳は「職人芸」的なところがあり、独学は難しいのではないか、と思います。私も、巷の有名な通訳学校に通いました。

大きな通訳学校には、通訳者の派遣会社を系列に持っているところも多数あります。こうした学校で学ぶと、そこで得た伝手を経て、仕事を貰えることもあります。

また、こうした学校では、すでに仕事をしている優秀な人が受講生の中にいることも多く、切磋琢磨することができます。さらに、講師の先生には、現役でバリバリ仕事をされている通訳者の方もたくさんおられます。

ただ、私はもう少し柔らかく「通訳の仕事をすぐにする気はないが、英語学習の一環として通訳を学んでみたい」という方をも対象としたサービスを作りたいと思いました。

私は予備校で講師をした経験がありますので、それを生かし、初心者にもわかりやすいレッスンを提供できる講座としてできたのが、PEP英語学校の「会議通訳小教室」です。

資格試験合格後の勉強法はさまざまですが、通訳技術を学ぶのは有力な選択肢の1つだと思います。

ぜひ、ご自身に合った方法で、楽しく学習を続けていただければ、と思います。

会議通訳小教室