江戸時代のヒーロー対アンチヒーロー②(今年の出題予想)

 

前回、江戸時代のヒーロー、徳川吉宗をご紹介しました。今日は吉宗のライバルの話です。

吉宗を描いた時代劇(『暴れん坊将軍』や『大岡越前』)で、悪役にされているのが尾張徳川家の宗春です。

こうした時代劇で宗春は、将軍吉宗の失脚をたくらむ陰謀の黒幕だったり、贅沢を禁止した吉宗に反抗して、わざと派手な格好で江戸を歩き回り、騒ぎを引き起こしたり、といった人物として描かれています。「またしても尾張大納言の陰謀か」といったセリフ、時代劇を見る方は、聞いたことがあるのではないでしょうか。

宗春は、吉宗の緊縮経済に反対し、規制緩和、積極経済策を進め、名古屋を繁栄させた人として知られています。

私は、お金を世の中でグルグル回して、人が活動してこそ自己実現が叶い、人は幸せになる、と思っているので、どちらかというと、宗春が好きです。

モデル・プレゼンテーションでは、前回ご紹介した通り、吉宗のネタを書いていましたが、2022年度、ついに宗春の話を書くことができました。お題は「金の鯱」です。金の鯱といえば、宗春のお城、名古屋城ですね。以下、引用します。

 『モデル・プレゼンテーション集 過去問編⑰』(表紙に鯱のイラストがあります)

In the early 18th century when the Eighth Edo Shogun, Tokugawa Yoshimune, ordered austerity, defiant Nagoya Castle Lord Tokugawa Muneharu implemented deregulation to encourage commerce and industry. Muneharu also promoted festivals to make people happy, so that Nagoya flourished. In 2021, the golden shachihoko were brought down for exhibition on the ground as a way to support the tourist industry, which had been hard hit by COVID.
The Golden Shachihoko have been a symbol of vitality and economic prosperity. I hope you visit. Thank you.

(時は18世紀初頭、江戸幕府8代将軍の徳川吉宗が緊縮令を出した際、名古屋城主の徳川宗春はこれに反発して規制緩和を実施し、商工業の振興を図りました。宗春はまた、祭りを奨励して民を楽しませ、これにより名古屋は繁栄しました。そして2021年、名古屋城の金の鯱は、コロナ渦で大打撃を受けた旅行業界を支援すべく開催された、地上での展示のために降臨しました。
名古屋城の金の鯱は、活力と経済的繁栄の象徴です。ぜひ見にいらしてください。どうもご清聴ありがとうございました。)

ちなみに、「名古屋城」は今年の出題ヤマです。

出題予測の根拠は、以下の通り。

1.昨年度(2022年度)に上述の「金の鯱」が出題されたこと。

2.一昨年度(2021年度)に「障壁画」が出題されたこと。名古屋城は、近年総ヒノキ造りで再建された本丸御殿の障壁画で有名です。

 『モデル・プレゼンテーション集 過去問編⑮』(「障壁画」「犬山城」を掲載)

3.現在、名古屋城の天守閣の老朽化による建て直しにつき、木造再建か、鉄筋コンクリート再建にすべきか、エレベーターの設置をすべきか、について議論されるなど、話題になっている。

4.近年、「犬山城」(2021)、「姫路城」(2020)など、具体的なお城(「日本の城」といった一般的なお題ではなく)が出題されている。

  『モデル・プレゼンテーション集 過去問編⑭』(「姫路城」を掲載)

さあ、徳川宗春のお城、名古屋城が来るかどうか。いずれにせよ、一度まとめておいてもよさそうです。