合格基準点調整はあるか?

先日の全国通訳案内士試験の一次筆記を受験された方々から、いろいろご報告を今、いただいております。

その中には、「自己採点した結果、~点足りませんでした。今年はダメです。今は気力がわきません」というものも複数あります。

私も元受験生ですから、お気持ちはよくわかります。

しかし、この「自己採点でダメと分かったので、今は勉強しない」という選択は本当に合理的でしょうか?

実際、毎年のように11月(今年は9月末)の一次合否発表を受けて「絶対、落ちたと思ってたら、受かっていた!何も準備していない。どうしよう!」と慌てる受験者が出現します。

私は毎年「PEP Talk」の中で申し上げている通り、「たとえ一次筆記の結果が何点でも、一次が終わったら即、二次対策に着手すべきです」という立場です。

この理由を「二次口述特別動画セミナー」の「スイカのレジメ」から、以下、引用します(このレジメは誰でも無料でダウンロード可)。

①試験は水もの(「絶対ダメ」と思ったが受かっていた、というケースがある)
②たとえ今回の筆記がダメでも、二次口述は、受験を続ける限りいつかは必ず受けるもの(最終合格だけが「合格」)
③二次口述の課題は、合格後まで役に立つ「スキル」である(早く始めて損はない)
④筆記試験合否発表を待ってからの着手では、時間的に間に合わない(せっかく難関の一次を通過したのに、二次でしくじるのはもったいない)

上記のうち、②と③は「たとえ今回はダメだったとしても、学んだことは後に役立つ」という話ですが、①と④は「いや、自己採点でダメだと思っても、受かっていることがある」という話です。

今日は上記のうち、後者、①と④のお話です。

つまり、自己採点で合格基準(6割、7割)に達していなくても、事後的に合格基準が見直されて(つまり、試験委員により、合格基準点が引き下げられて)、その結果、合格する可能性がある、ということです。

表題の「合格基準点調整はあるか?」に対する答は、ズバリ「可能性あり」です。

ガイドラインに、下のように明文で書かれています。

(以下引用)

(4)合否判定
・筆記試験の合否判定については(中略)…。

・実際の平均点が、合格基準点から著しく乖離した科目については、当該科目の試験委員と試験実施事務局から構成される検討会を開催する。その結果、必要があると判断された場合には、合格基準の事後的な調整を行う。この調整は、平均点の乖離度及び得点分布を考慮して行う。

(全国通訳案内士試験ガイドラインP.2より)

つまり、「問題が難化して、みんなできなかった」場合には、合格点調整(つまり基準の引き下げ)の可能性がある、ということですね。

調整がなされたか否か、について、過去に「おそらく事後調整があったのだろう」とかなり確からしく思われた事例は、何度かあったと私は記憶しています(つまり、受験者のうちのかなりの人が「自己採点結果、全く合格基準に届いていない」と感想を述べていたが、結局、そのうちのかなりの割合の人が合格していた、という事例)。

このまま9月29日の一次通過者発表までの貴重な約40日間を無為に過ごすか。

それとも視線を最終合格という目標に向けて、今、二次口述対策に着手するか。

ガックリするのは、せめて9月29日の一次通過者発表の後でよいのではないでしょうか?

情報は皆でシェアできますが、行動するか否か、は各自で決断するしかありません。

感情に流されるのか、それとも合理的な選択をするのか。決めるのは、受験者の皆さんです。

▶PEPニュース

・一次筆記試験が終わったら、ぜひ皆さんの試験にかける「熱い思い」(受験のパッション、二次試験への抱負、筆記受験の感想等)をお聞かせください。

HPのトップに「通訳案内士一次筆記 受験感想投稿フォーム」を設けました。

・一次への一区切りを付けたら「即」二次口述対策に着手です。

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