今年の5月8日よりコロナウイルス感染症の扱いが「5類感染症」になり、最近はだいぶん街を歩く人からマスクが外れてきましたね。
全国通訳案内士試験でも2020年度以来、感染対策として受験者のマスク着用(一部クリアのマウスシールド)が求められてきましたが、今年の試験のマスク要件はどうなるのでしょうか。
この点につき、現在のところ試験実施団体からの公式発表は、先日公開された試験要領の項目9「試験当日の注意、新型コロナウイルス感染症などへの対応について」があるのみです。
これによると、「マスクの着用については、個人の主体的な選択を尊重し、着用は個人の判断に委ねることになりますが、試験当日はマスク着用、消毒、手洗い、うがいなど、各自で 感染症拡大 防止対策に十分ご留意ください。」となっています。
つまり「個人の判断に委ねる」なので、一般の場所と同じということになります。
一般的なマスク着用に関する厚生労働省の見解は、こちらです。
これによると、次のような留意事項があります。
○マスクの着用は個人の判断に委ねられるものではありますが、事業者が感染対策上又は事業上の理由等により、利用者又は従業員にマスクの着用を求めることは許容されます。
この「事業者」には、全国通訳案内士試験の運営団体も含まれるはずですから、場合によりマスク着用を求められる可能性は残っています。
参考までに、他の試験のマスク要件について調べてみました。
◆TOEIC
※2023年4月1日以降、マスク着用は任意となります。ただし、花粉症などのアレルギー・喘息などの症状により飛沫が発生する可能性のある方については、マスク着用にご協力ください。
※試験会場によっては、マスクの着用のお願いや、入場時に検温をおこない、体調確認をさせていただく場合がございます。
◆英検
会場内では原則マスクを着用してください(マスクはご自身でご用意ください)。
ただし、受験者または保護者の責任においてマスクを外すことも可能とします。
マスクを外している間は発話を控えてください。
二次試験の面接試験時など、発話が必要なときは、原則マスクを着用してください。
◆大学入試共通テスト
2023年度はマスク着用義務なし(Yahoo!ニュース)
結論としては、今のところマスクなしで受験できる可能性大、といえると思います。
ただし、会場スタッフや試験委員はマスクになる可能性があります。この辺りはまだ流動的なのでしょう。
さて、では、受験者が4年ぶりにマスクなしで受験できるとして、その影響はどのようなものになるでしょうか。
受験者はマスクの息苦しさから解放されるので、基本的には結構なことでしょう。
そして、影響が大きいのが二次口述です。ここ3年間、マスクで覆われて使うことが制限されていた「顔の表情」が、「コミュニケーション」(ガイドラインの評価項目)の要素として復活するわけです。
運営側としても、口述ではマスクを外し、顔の表情を使うことを好ましい、と考えていると思われます。
なぜなら、2020年度の口述において、受験者は面接時のみ、不織布マスクではなく、透明なマウスシールドを着用する措置が取られた例があるからです。
ただ今回、マスクが外れるのが、受験者だけなのか、試験委員も外れるのか、については、現状を見る限り、やはり前者の可能性の方が大きそうです。
早く完全に元通りになるといいですね。
以下は、ご参考までに、本年度の試験要領と昨年度の試験要領の感染対策に関する部分を抜粋したものです。
(以下、抜粋)
2023年度の要領(該当部分の抜粋)
9.試験当日の注意事項 について
試験当日の注意事項は、筆記試験・口述試験 ともに受験票に記載します。注意事項に違反した場合や係員の指示に従わない場合は受験 が できなくなる こと があります。
次の事項に該当する方は、他の受験者への感染症拡大 のおそれがあるため、当日の受験はできません。
また、会場に来られても、お帰りいただく場合がありますので、予めご了承 ください 。
・体調不良(発熱、激しい咳、呼吸困難、息切れ、強いだるさ等)がある方
・感染症に罹患し治癒していない方等
なお、これらを理由としての再試験の実施および返金はしません。
マスクの着用については、個人の主体的な選択を尊重し、着用は個人の判断に委ねることになりますが、試験当日はマスク着用、消毒、手洗い、うがいなど、各自で 感染症拡大 防止対策に十分ご留意ください。
2022年度の要領(該当部分の抜粋)
【新型コロナウイルス感染症などへの対応について】
① 受験者の方へのお願い
試験当日は、感染予防のため、試験会場へ来場する前に必ず検温をしてください。
会場によってはその場で検温が必要な場合があります。当日係員の指示に従ってください。
発熱、咳、嗅覚障害等の症状がある方は、他の受験者への感染のおそれがあるため、当日の受験を控えていただくようお願いします。また、新型コロナウイルス感染症などに罹患し治療していない方や濃厚接触者にあたる方も当日の受験を控えていただくようお願いします。なお、これを理由とした欠席者向けの再試験は予定しておりません。また、試験室の座席配置については左右の受験者と1席分程度距離を確保した配席をしておりますが、前後は1席分程度の間隔を確保できない場合があります。加えて、試験会場内での移動、トイレの順番待ちの際は、周囲の方との距離を保っていただきますようお願いいたします。
② マスク着用のお願い
マスクの着用をしていない方は会場へ入場できません。必ず試験中・試験前後を含めマスクの着用をお願いします。マスクはご自身でご用意ください。(マスク着用が難しい方は願書申請時、配慮事項の欄に着用できない理由を申請してください。)なお、試験期間中の写真照合の際には、試験係官の指示に従い、マスクを一時的に外してください。マスクの着脱について、試験係官の指示に従っていただけない場合は、失格とする場合がございます。また、携帯用手指消毒用アルコールをお持ちの方は、持参しても差し支えありません。
③ 試験室の換気
試験室は適宜、換気を行います。室温の高低に対応できるよう服装には注意してください。