前回の「単語の覚え方(1)ザクロは英語で?」では、単語には、「多義的な語」と「一義的な語」があること、そして「一義的な語」とは、「知っているか知らないかだけで勝負が決まる単純な名詞」のことであること、そして、単語帳(カード)の形式で覚えるのに適しているのは後者であること、をご説明しました。
今回は、逆の「多義的な語」とは何か、の説明から始めましょう。
「多義的な語」とは、要するに「一義的な語」以外の全部がこれにあたります。主として動詞、形容詞、そして抽象名詞などです。
こうした語は、多義的であるので、一対一の形式で学ぶには適していません。これらは、文化的背景や文脈などで意味をとらえる必要があるので、多読、英英辞典、語源の勉強、などを通じて学ぶことが適切です。
また、多義的であるということは、別の言葉で言い換えが効く、ということでもあります。つまり「単純に知っているか知らないか」は、それほど重要ではない、ということですね。
例を挙げましょう。commitment, identify, integrity, principle, などのいわゆる「日本語になりにくい英語」がそれです。こういう単語は、英和辞典に載っている日本語の訳を覚えただけで「この単語は知っている」と思い込んでしまうと、逆に危険だったりします。
たとえば、“Many Japanese identify with Tora-san.” という英文を見て、「寅さんは日本人の心のふるさとだ」という意味がパッととれるには、英和辞典に載っているidentifyの訳語を1つ知っているだけでは到底無理で、文脈、語法、語のイメージ等を掴んでおく必要があります。
ただ、自分の方からこの内容を英語で発信する場合は、identify を使えなくても “Many Japanese love Tora-san.” と、別の単語でとりあえず何とか同じような内容を表すことができます。「多義的な語」は、「一義的な語」に比べ、「知ってる知らない」の重要性が相対的に低い、というのはこういう意味です。
(つづく)
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