英語学習者にとって「語彙力増強」は、普遍的な願いです。単語の覚え方は、単語集に取り組む、英英辞書をこまめに引く、語呂合わせ、語源を学ぶ、多読をして文脈で覚える、等々、いろいろな方法がありますが、どの方法がいいのでしょうか。
結論を言えば、これらの方法のうち「この方法で完璧」というものはなく、学習者は、自分にとってよさそうな方法を複数組み合わせて用いる、ということになります。
ただ、1つの指針として「多義的な語」と「一義的な語」で、覚え方を分けるとよい、ということが言えます。今回のシリーズでは、この点を説明しようと思います。
ところで単語学習といえば、先日リリースした「PEP単語カード」はお使いいただけていますでしょうか。使用感はいかがですか。
極めて単純な教材ですが、作者の私としては結構気に入っています(笑)。
PEP単語カードは、本来、3,000~4,000円ぐらいで提供できる商品にしたかったのですが、カードとしての性質上の量産の困難性から、データをメルマガ読者の皆さんに特典として無料提供し、原則自作、自作が苦手な人には有料の印刷サービスをご利用いただく、という形になりました。
まあ、これはこれでよいと思っています。電子データ形式を原則とすれば、改訂が行いやすい、という利点もあります。今後、「PEP単語カード」は更新を時々行いますので、ぜひ最新版をお使いください。更新情報は、メルマガでお知らせします。メルマガ登録はこちらからどうぞ。
さて、私は「単語を覚えたい」という学習者の強い願いに応えるべく、「PEP単語カード」の他に、書籍『日本事象英単語帳』や動画教材「クイック・レスポンス単語テスト(QRT)」(学習動画サービス「PEP動画ホーダイ」において視聴可)といった教材を提供しています。
これらは、①日本語、②対応する英語、③発音、の3つしか載せず、かつエントリーは全て名詞に限定する、という極めて単純なコンセプトで作られています。これには理由が3つあります。
1つは、先述の通り、単語には「多義的な語」と「一義的な語」があり、単語帳(カード)の形式で覚えるのに適しているのは後者である、ということです。
一義的な語とは、日本語と英語が一対一で対応しており、それぞれ他の訳語は存在しない(別語での言い換えが利かない)、という類の単語です。具体的に言うと、花、魚、鳥、動物、果物、野菜などの名前や、専門用語などの名詞がこれにあたります。
たとえば、「私はザクロとビワが好きです」という内容を英語で言う場合、「ザクロ」「ビワ」を英語で何というか、を知っていなければ、絶対に言うことができません。逆に、知ってさえすれば、(I like A and B. という構文を使える人なら)誰にでも言えます。このように「単純に知っているか否かで勝負が決まる」単語の学習には、まさに単純に日本語と英語が対になっている、単語帳やカード教材の形式が適しています。
(つづく)
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