こんにちは。杉森です。
今日は、全国通訳案内士試験(通訳ガイド試験)の合格後を考えてみたいと思います。
全国通訳案内士試験に合格したら、これを使って何らかのビジネス(副業含む)をやってみたい、と考えておられる方は多いかと思います。その際、何から始めるのがいいでしょうか?
今から4、50年前でしたら、ライセンスを取得すれば、即、旅行会社から割のいい仕事をもらえる、なんてこともあったようです。当時は大阪万博等で需要もある一方、英語のできる人は極めて少ない時代でした。
しかし、今はだいぶ事情が違います。合格ホヤホヤでも仕事がもらえた古き良き時代にデビューして、実績を積んだベテランの方々が今でも現役でおられる一方、英語ができる人は質量ともに増加しています。よって、試験に受かりたての人は、なかなか良い仕事を得ることが難しくなっています。
経験を積むまでは、投資と思って各ガイド団体の有料講習を受け、ほぼボランティアのような仕事を無理して受け、と頑張ってもなかなか報われない、という状況も、残念ながらあるようです。
それでは、どうすればよいのでしょうか?この業界は将来性がない、とあきらめるべきなのでしょうか?
私は、通訳ガイド業界の将来性はある、と思っています。なぜなら、通訳ガイドは人を楽しませる仕事だからです。この「人を楽しませる」という仕事は、どんなにAIが発達しても人間にしかできない、と私は考えます。もし、通訳ガイドがロボットにとって代わられるとしたら、それは「鉄腕アトム」や「ドラえもん」のような、人間の友達となり得るようなロボットができた時でしょう。その際は、もはや人間は生産活動を行う必要がなくなり、全員がベーシックインカムで豊かに暮らせていることでしょう。
そうだとすれば、通訳ガイドの資格をどのようにして収益化するか、問題はこの方法論に尽きるといえます。
私の答は、一言でいうと「起業家精神を持つこと」です。
これからの通訳ガイドは、「旅行会社からなるべくいい時給の仕事をどうやっていただくか」などという発想自体を捨てるべきだと思います。なぜなら、そのようなことに腐心していては、いつまでたっても上に行くチャンスが来ないからです。
上述のように、業界にはベテランガイドが既に存在しており、旅行会社としては安心して仕事を任せられるベテランに、どうしても良い仕事を振りたくなります。旅行会社のアサイン担当者はサラリーマンですから、わざわざ冒険して重要な仕事を新人に任せる、という動機付けに乏しいのです。つまりそれは「ハイリスク(失敗があればクレームになる)・ノーリターン(かりにうまく行っても自分の給料は変わらない)」だからです。
よって、「経験を積んで成長したい」「自分の能力を発揮したい」と考えている新人の取るべき方法は、エージェントに依存するのではなく、自営業者として、自らダイレクトに顧客(観光客)にアプローチすることだと思います。
では、どのように起業をしていけばいいのでしょうか。この点については、次回、私の考えを述べようと思います。
それではまた。