昨日の記事で紹介した「PEP単語カード」は、アナログチック、昭和チックで極めて単純な教材です。この「単純さ」こそが意図されたコンセプトになっています。
実は単語カードの歴史は古く、昭和どころか、古代中国の科挙の時代から存在したそうです。
デジタル全盛の昨今、単語アプリというものもありますが、紙のカードにはアプリにはない使いやすさがあります。これは、電子書籍が発達しても、紙の本を完全に駆逐することはなかった、ということと同じですね。
単語カードの有用性は健在ですが、ただ、単語カードには欠点もあります。それは「作るのに手間がかかる」ということです。
単語カードを「作って」力尽きた、そんな青春の苦い思い出はありませんか?
辞書を見ながら、自分で単語カードを手書きで作るのは、大変な手間がかかります。
そして、頑張って作ったとしても、手書きではその仕上がりを「キレイ」に作ることが難しい。
単語カードは、手元に置いてチラチラと何度も見ることにより暗記を目指すものであるので、そのカードが「キレイ」であることは学習を継続する上で意外に大切なのです。
カードに書いてあるのが自分の汚い字だと、カードを見ること自体が嫌になってしまいます。かくして、張り切って作った単語カードも、対して活用せずにゴミ箱行き、となってしまいます。
しかし、単語カードの教材としての有用性には捨てがたいものがあります。そこでこういう欠点を克服すべく作ったのが「PEP単語カード」なのですね。
単語カードを作るためには、①どの単語をエントリーするか、②その単語の情報のうち何をどこまで(派生語、例文、語源、等々まで書き入れるのか)、を自分で決める必要があり、かつ、キレイに作るためには、これらを体裁よくデザインして丁寧に手書きで小さな紙片に書き入れる、という非常に面倒くさい作業が必要です。
PEP単語カードは既製品の単語カードです。よって、こうした作業は、全て教材作成者がやってくれているので、学習者はこれを使うことに集中すればいいわけです。『「作って」力尽き」る必要がないわけです。
先述の「キレイに」という要素についても、実は念入りに計算がなされています。
まず、単語カードは「チラチラ何度も見る」ことにより暗記効果を得るものですから、美しいと共に単純であることが大切です。
PEP単語カードは、表の日本語面は、「その日本語の単語とフリガナ」のみ、裏の英語面は「その英語の単語と発音記号」のみ、という非常に単純な作りになっています。決して欲張らず、例文や同義語、派生語等の情報は思い切り省いています。それらが美しく読みやすいフォントで印刷されています。
この「単純性」を貫くべく、そのエントリーは「知っているか知らないか、だけで勝負が決まる単純な名詞」に限っています。
なぜ単語カードのエントリーを「単純な名詞」に限定するのか。それは、そもそも単語カードの目的が「単純な暗記」だからです。
動詞や形容詞は、かりにその語を知らなくても別の言葉で置き換えられることが多く、かつ、訳語だけでなく用法が大切です。よって、英単語と訳語を結び付けて覚える、というだけではあまり英語学習の効果は高くありません。それに対して、単純な名詞はカードで一語一語覚えていくことのコスパが高いのです。
このように、教材として一見単純な「単語カード」ですが、実はその「単純さ」こそが念入りに意図されたコンセプトなのですね。
PEP単語カードのラインナップは、以下の通りです。合計2,309語です。
1.PEP単語カード(本体)
エントリー:1,109語
入手方法:
(1)PDFデーターのみ⇒無料(PEPメルマガ登録者の特典)、アマゾンで専門用紙を購入し、家庭用プリンターで印刷できます。
(2)印刷サービス⇒オンラインストアで
単語カード印刷用専用用紙(エーワン マルチカード 30面 単語カードサイズ 穴あき 5枚 51163)
2.PEP単語カード Appendix ①
(1)エントリー:300語
(2)入手方法:オンラインストアで
3.PEP単語カード Appendix ②
(1)エントリー:300語
(2)入手方法:オンラインストアで
4.PEP単語カード Appendix ③
(1)エントリー:300語
(2)入手方法:オンラインストアで
5.PEP単語カード Appendix ④
(1)エントリー:300語
(2)入手方法:オンラインストアで
カード用のリングは、直径30mmのものが使いやすいようです。