プレゼン出題雑感④「最難(災難?)」問題組

全国通訳案内士試験の二次口述は、毎年、12種類の問題組が出題側で作成されます。千人にも上る受験者一人一人に面接する以上、丸一日の時間を複数に分け、各別の問題を出すのが現実的な方法だからです。

それだと受験者の合否に「どの問題組にあたるか」という運の要素が入ってくることは否めません。「問題組ガチャ」ですね。ただ、これはやむを得ないことです。「苦手な問題が出ても、2回に1回は何とかしのげる」というレベルに達したときが「合格」レベルなのだと思います。

一発合格を果たした方も、この「2回に1回」(の良い方)が初受験で来た、というふうに、実力プラス「運」が作用した、という場合がほとんどであり、本当に「どんな問題が出ても絶対に大丈夫」というレベルまで仕上げて合格する人は、たぶん1%程度の少数派でしょう。

また、実力があるのに合格できなかった、という方は、この「2回に1回」のうち、悪い方の1回がたまたま先に出てしまった、ということだと思います。

さて、本年度出題された問題組で、一番難しかった問題組はどれでしょうか?

この問いには絶対的な答があるわけではありません。現時点で出題につき判明している情報をもとに、私なりに考えてみました。

主としてプレゼンの出題につき、①同一ないし類似の過去問がないトピック、②非アトラクション系トピック、③狭いトピック、等、解答が難しいトピックが多い問題組を「最難(災難?)」問題組として選びたいと思います。

私としては「最難(災難?)」問題組として、

(1)時間帯2の問題組1「①戌の日、②きりたんぽ鍋、③金継ぎ」

及び

(2)時間帯4の問題組1「①2024年問題、②日本武道館、③寿司の食べ方」

の2つを認めたいと思います。

 

(1)について

3つともアトラクションですが、いずれも狭いトピックであり、過去問がありません。

かろうじて、「②きりたんぽ鍋」の関連過去問として「鍋料理」(2015)があるのみです。しかし、今年の出題の方が「狭い」ので、過去問の知識は一般論の部分でしか使えず、きりたんぽ鍋に関するピンポイントの知識がなければ、話すことは難しいといえます。

(2)について

「①2024年問題」が本年度唯一の純粋な非アトラクションです。「②日本武道館」はアトラクションですが、狭いトピックといえます。かろうじて「③寿司の食べ方」でしのげるかもしれません(寿司に関しては、「回転寿司」「ちらし寿司」(共に2017出題)等があり)。