本日、2024年度全国通訳案内士試験二次口述が行われます。
今日は寒くなりそうです。暖かくしていってらっしゃい!
下は、PEPの個人レッスンを受講された方々に「合格グッズ」(合格カイロと合格手鏡)と共にお送りしたメッセージ「杉森 元からの手紙」(A Letter from Hajime Sugimori)です。
こんにちは。
受験者の皆さまにおかれては、本試験を目前にして、このメッセージをお読みいただいているかと推察いたします。
全国通訳案内士試験は、最終合格率が数%の難関です。この難関を突破すべく、多くのリソースを投入し、ここまで到達された皆さまのご努力に謹んで敬意を表します。皆さまは、日本における英語学習者の中で、上位1%の実力者です。自信を持って実力を発揮されれば、必ず合格できるものと信じます。
遺憾なく実力を発揮していただくために、重要な点を再確認しておきましょう。
1.脚下照顧
試験本体以外の部分で足をすくわれないよう、健康管理、試験場、時間帯、交通機関、持物、服装等、余裕をもって事前にチェックしましょう。
2.試験場にて
本試験会場は、ピリピリした雰囲気になるかと思いますが、あまり気にせず、静かにマイペースを守り、受付後は静かに勉強して自分の順番を待ちましょう。皆さまは事前に、PEP英語学校の『過去問詳解』を読んでおられ、「会場の情報」についても他の受験者より優位にあります。あとは、会場スタッフの誘導に素直に従っていれば、問題が起こることはないでしょう。
3.面接開始
挨拶等は、普段通り自然にしていれば大丈夫です。課題に集中しましょう。各課題に、固有の注意点があります。課題ごとに「頭のモードを切り替える」ことが最も重要です。
(1)プレゼンテーション&質疑
プレゼンは「観光」の視点を常に頭において行いましょう。メモを見てもよいですが、時々は試験官と目を合わせて話しましょう。「目で頷く」「目で微笑む」ということができると、感じが良いでしょう。試験官は2人ですので、両方に目を配りましょう。
(2)外国語訳(通訳)
PEPの受講生の方は、他の学校ではあまり教えていない「通訳」という言語活動の本質を知っています。通訳は「原文(日本語)リスニング命」でしたね。聞き逃したら終わりです。しかし、聴き取れさえすれば、必ず訳すことができます。この「通訳聴き」は、非日常的言語活動なので、プレゼンテーションや質疑(自分の考えを相手に伝える)のごとき言語活動とは、まったくその質も量も異なる集中力が必要となります。通訳課題の際には、「話者に『なる』」ためのリスニングをすべく、頭のモードを切り替えることが最重要であり、ここで勝負が決まります。
(3)実務質疑
この課題では、プレゼンテーション以上に「会話力」が問われます。最初に気を付けるべきは、先行する「外国語訳(通訳)」から、頭のモードを「通常のコミュニケーション」へと再度切り替え、元に戻すことです。また、実務質疑では冒頭「問題用紙を読む」という「日本語のリーディング」という言語活動を求められますから、ここで戸惑わないことが大切です。二次口述は「通訳案内の業務の疑似」です。実務質疑では、特にこの面が強調されます。受験者はガイド、試験官は観光客になりきり、ロールプレイゲームを行うのです。自分ばかり一方的に話すのではなく、お客さんに適切な質問を投げかけ、聞き役に回る、ということも重要です。
弓道には「正射必中」(せいしゃひっちゅう)という言葉があります。これは「正しく射た矢は必ず当たる」という意味です。皆さまは、正しいメソッドで努力されてきたのですから、あとは実力を発揮できさえすれば、必ず結果が付いてきます。良い報告をいただけることを楽しみにしております。皆さまの「楽しい学習による自己実現」が成ることを、心より祈念いたします。頑張ってください!
2024年12月
杉森 元