2024年度全国通訳案内士試験二次口述(12/8)まで、あと7日です。
通訳ガイド本試験の3つの課題の中で、まさに「ガイディング」をさせるプレゼンテーション課題は、最も本質的な課題といえます。
プレゼンは、その場で与えられた3つのトピックから、任意に1つを選んで2分間外国語で話す、という課題で、とても難度の高いものです。
これをこなすには、まず最初に三択のお題の選び方が肝要です。すなわち、お題選択と準備に与えられた30秒の使い方です。
30秒を有効に使うためには、その30秒で何をするか、をあらかじめ決めておく必要があります。行き当たりばったりでは、あっという間に30秒が過ぎてしまいます。
三択のお題を見て、まず考えること(選択・構成の観点)は「当該お題は観光アトラクションか否か」です。
「観光アトラクション」とは、プレゼンの最後に「~をお楽しみください」のように「~」の部分にそのお題を入れてお勧めをすることができるものです。俗にいう「見る、食べる、遊ぶ」の「るるぶ」が、これにあたります。
過去の出題を見ればわかりますが、出題の8割程度が、この「観光アトラクション」です。
逆に「非アトラクション」は、「~をお楽しみください」といえないもの、純粋な解説のみを目指すお題です。
たとえば、2023年度の時間帯4、5、6に出た18題は、以下の通りです。
蕎麦 関ヶ原の戦い 八十八夜 猛暑日 桃の節句 伊豆諸島 国立西洋美術館 箸 小倉百人一首 厄年 雑煮 ヘルプマーク 琵琶湖 御神酒 ジェンダーレス制服 稲荷神社 日本の国立公園 コミックマーケット
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上記のうち、はっきり「非アトラクション」なのは、「ヘルプマーク」と「ジェンダーレス制服」であり、他は概ね「お楽しみください」に結び付けることができるものです。
アトラクションの場合、結びは I hope you enjoy…. Thank you. になるのに対し、非アトラクションの場合は、I hope you find this information helpful. Thank you. のように中立的になります。
つまり「アトラクションか否か」という観点でお題を見ることにより、話の結論が決まる、ということになります。話のゴールが決まれば、構成は断然やりやすくなります。
また、アトラクションは、たとえば「日本の国立公園」のように広いお題であることも多く、自分の得意な話に持ち込むことがやりやすいと言えます。また、テンプレに当てはまりやすいという利点もあります。
その一方、非アトラクションは、時事問題の解説など、ピンポイントの知識の準備がなければ、全く話せない、というケースが多いようです。
たとえば、「ジェンダーレス制服」の場合は「多様性の尊重」という話であり、diversity という単語がパッと浮かんでこないようであれば、このトピックは選ぶべきではないでしょう。
基本的に、話をしやすいのは「観光アトラクション」で、「広いお題」(開いたトピック)です。
こうしてお題選択の観点をあらかじめ決めておくことによって、与えられた30秒で素早く選択・構成ができるようになります。
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▶PEPニュース
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12/8日に本試験をお受けになる方は、受験後、ぜひ出題に関する情報の提供をお願いします。
PEP英語学校は、全国通訳案内士試験二次口述の出題を毎年再現し、これを無料公開しています(2013年以来の全過去問はこちら)。当該フォームは、この元となる情報提供を受験者の皆様にお願いするためのものです。
過去の受験者の皆様のご協力のおかげで、過去問情報を蓄積し、これを現在、そして将来の受験者の皆さまに提供することが可能になっています。ぜひ、今年度受験の皆様も、後進の方々のために情報提供をお願いします。
いただいた情報は、今後の教材やサービス提供の充実に役立てていきたいと思っております。なお、当然のことながら、個人を特定するような情報を外部に勝手に出すようなことは致しません。
どうぞよろしくお願いいたします。