2024 年度全国通訳案内士試験の実施要項の変更点、他

既報のように、昨日2024/6/4付、2024年度全国通訳案内士試験の実施要項が公開されました。

昨年度からどの点が変更されたか、要点をまとめてみます。

1.受験料

従前の11,700円から、今年度の14,850円へと、3,150円の値上げです。

そういえば、英検1級の受験料も、昨年までの11,800円から、今年は12,500円へ、700円の値上げになっています。

むむむ。皆さんは、この値上げをどうお考えですか。

英検を実施する英検協会は、私的団体で、値上げの理由は「物価上昇による原価増と、英検の品質向上のための研究・開発費の増加」だそうです。

全国通訳案内士試験の実施は、国土交通省であり、日本国政府です。

今回の値上げは、通訳案内士法施行規則の一部を改正する国土交通省令第64号の改正、という形で行われました。改正の告知は官報(令和6年6月3日)にてなされています。

そういえば、JNTOの全国通訳案内士試験のページに「2024.4.9付 現在、観光庁では、通訳案内士法施行規則の一部を改正する省令案に関するパブリックコメントを実施しています。詳細は、以下のウェブサイトをご確認ください。e-Gov パブリック・コメント」という記載がありましたが、このことだったのですね。

現在、パブリックコメント受付は終了しており、上記サイトも見ることができません。値上げの理由も、検索してみましたが、出てきませんでした。

ちなみに、前回の値上げは2014年度で、前年までの8,700円から、11,700円になりました。この時は3,000円の値上げ幅ですが、今回の値上げ幅はそれを上回りました。

ちなみに、TOEICの受験料は、現在7,810円(2021/10に改定、従前は6,490円、2020/3までは5,830円だった)です。

なお、省令(施行規則)の改正は、国会の議決は不要で、担当国務大臣が決めることができるそうです。

すると、先の「パブリックコメント募集」というのは、「受験料は政府が自由に決められるが、値上げするにあたり、一応、国民の声は聞いた」という「ポーズ」であったと思われます。

日本経済は停滞し、国民の給料は上がらない。一方で、物価は上がっている。税金も上がっている。

国民が経済をよくすべく、仕事を頑張るために国家試験を受けるのに、その受験料を政府がどんどん値上げするのは、どうなんでしょう。

とにかく、受験料は上がりました。

2.期間の後ろ倒し、短縮

マイページでの最終合格証書交付期間が、昨年より6日、短くなっています。、

また、出願期間が、昨年は6/1~7/10であったのに対し、今年は6/12~7/16となっています。

今は、最終合格証までも電子版の交付なのですね。

3.申請内容の審査について

「〇申請内容の審査について ・申請内容の審査には受験料支払いの決済完了から約3~5営業日かかる場合がございます。審査の進捗や状況につきましては、個別の回答はできません。予めご了承願います。」という一節が、本年度の施行要領には追加記載されました。

4.配慮申請について

補聴器の使用に着き「メーカーや品番によっては会場に持ち込めない場合がありますので、」の一節が、施行要領に追加記載されました。最近あった、大学入試でのカンニング事件の影響かな、と思われます。

5.センター試験の免除は今年度が最後

センター試験は、2020年の1月に行われたのが最後であり、2021年からは共通テストが代わっています。

全国通訳案内士試験の一次筆記科目の免除にセンター試験を利用できるのは、今年は2020年1月実施分のみであり、これにてセンター試験利用は終了となります。

本年度、施行要領は総ページ数が昨年比で5ページ増になっており、いろいろ変わっていますが、主要な点は以上のようなものです。