英語やりたいんだけど、どうすればいい?(2)

前回の記事で、私が英語初学者の友人から英語の勉強法を訊かれ、その答を考えた、という話を紹介しました。

私は、分かりやすく伝えたいと思い、まず以下のように答えました。

「英語学習で大事なのは、①興味、②音声、③レベル、です。アマゾンのオーディブルを見ると、小説の名作がプロの読み上げ+テキストで入手できます。これなら①②を満たせます。ただ、ホンモノの小説だと、レベル的にちょっと難しいところもありますよね(③)。適宜、和訳なども使いながら、気軽にこうしたコンテンツを楽しみつつ、別途、コツコツ英語力レベルを向上させる、というのがお勧めです。その方法はいろいろありますが、やはり自分が続けられそうなものがいいですね。」

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ポイントを3つにまとめる、というのは、古くから言われているプレゼン(説明)のコツです。リズムが良く、頭に入ってきやすいのですね。

前回分析した通り、この相談者さんは、真面目で基礎から勉強するつもりがありますが、それゆえに継続できないことがあります。

また「小説を読みたい」といいつつ、「単語のテキストは?」と尋ねておられます。

よって、この方が学習に失敗するパターンとしては、ホンモノの小説を現在の力で完璧に楽しむのはレベル的に無理なので、これを忌避し、単語などの地味な勉強から始めるが、やがてモチベーションが下がってしまって挫折する、というものだと予想できます。

また、この方は私と同年代で、昭和の英語教育を受けてきた方です。

昭和の英語教育では、ネットが発達した現在と比べ、「正しい音声」の素材が圧倒的に少なかった、というのが事実です。

しかし、英語の勉強では音声が必要かつ有効なことは、自明といえます。

以上のようなことを勘案し、私は、(1)自分の興味のあるコンテンツを音声付きで、気軽に楽しむ、と、(2)自分のレベルに合ったインプット用の教材をコツコツ、みっちりと勉強する、の「2本立て」をお勧めしたのです。

市販の英語学習教材などは、売るために(1)のみを強調する、ないし(2)に楽なショートカットがある、というふうにしばしば宣伝します。

ただ、やっぱり成果を出すためには(2)が伴うことが必要なのですね。そして、(2)を継続するために、(1)が必要なのです。

なお、上述の通り(1)のために具体的な素材として、アマゾンのオーディブルを紹介しました。

(2)の教材については、私はこの方に「昔ながらのラジオ『英会話』や『ビジネス英語』もいい。単語の暗記は、スキマ時間にやるぐらいならいいのですが、勉強の中心に据えるのはあまりお勧めしません。」と紹介しました。

さらに「TOEICや英検、通訳案内士試験の勉強もいい。これらは、成果がハッキリと出るので、モチベーション維持がしやすいところが長所です。」と述べました。

そして最後に「手前味噌ですが、『モデル・プレゼンテーション集』の音読もいいですよ。これは、分量が2分で完結していること、それから、内容が大人の知的好奇心を満たせること、が良い点です。英語は私が書いたものですが、厳しいネイティブチェックを経ているので、問題ありません。」と、自分の本の宣伝もしっかりしておきました(笑)。