元寇防塁は、もともと博多湾を20キロにわたりカバーする形で作られました。鎌倉武士たちが所領に応じて分担して築き、海岸線を守りました。
築造法は、担当により異なっており、異なったスタイルの石垣が異なった場所に残っています。
下の写真は、生の松原とは別の場所の元寇防塁で、西南学院大学の側にあるものです。西南学院大学は、何度か全国通訳案内士試験二次口述の九州会場として使われたので、ご存知の方も多いでしょう。
鎌倉御家人たちは、この高さ2メートルほどの石垣を自腹で作り、命を懸けて日本の独立を守ったわけです。
しかし、防衛戦に過ぎない戦なので、戦利品がなく、御家人たちはご褒美を幕府からもらえませんでした。この不満が原因の1つとなり、鎌倉幕府は衰退に向かいます。
一生懸命に仕事をしたのに、報酬を貰えなかった。この御家人たちの不満が幕府を滅ぼす。私はこれを「会社のために尽くしたのに…」と不満を持つ現代のサラリーマンや、納期までにきちんと納品したのに、報酬を払ってもらえなかったフリーランスの人たちの姿に重ね合わせるのです。増税、物価高、ブラック企業の跳梁跋扈、これらを放っておくと、現在の政権がひっくり返る、そんなことだってごく普通に起こるのではないか、と思います。
日本が日本国憲法の下、現在の政治体制になって80年弱です。一方、鎌倉時代は150年続いています。歴史的なスパンで考えれば、現在、一応最善と考えられている自由主義・民主主義を理念とする日本国憲法下の体制だって、別のものと代わってしまう可能性はいくらでもあるでしょう。
私が今年始めた歴史学習は、極めて底の浅い独学で、単なる自己満足のレベルにとどまっています。
ただ、本を読んだり動画を見たり(歴史マンガやYouTube、スタディサプリなどを利用しています)して勉強し、時に史跡を訪れ、自分なりの妄想を広げてみる。歴史上の事件の中に、歴史上の人物の人生をはめ込んでいく。そうすることで、人生の長さ・短さが実感できるような気がするのです。
↓私愛用の学習書。アマゾンKindleで購入できます。