出題分析3「準ズバリ的中!」他

前回まで、本年度の全国通訳案内士試験二次口述のプレゼン課題における「過去問の再出題」とPEPの教材からの「ズバリ的中!」をご紹介してきました。

しかし、本年度の出題のうち、PEPの教材(ないし過去問研究)で対処できたトピックは、他にもあります。

それは、まず時間帯1①における「兼六園」です。

モデル・プレゼンテーション集(予想問題編)VOL.4』の「金沢の見所について」では、兼六園を取り上げています。

このモデルプレゼンで、兼六園の有名な「雪吊り」について述べている部分を、一部引用します。

One famous Kenrokuen scene is yukitsuri, or “snow suspension.” In yukitsuri, poles are set up beside trees and rope is strung from the tops to tree branches to prevent them from breaking in the heavy snow. The parasol-like yukitsuri in the snow garden is very impressive.

兼六園で有名な風景が「雪吊り」です。雪吊りとは、樹木の側に支柱を設置し、その上部から木の枝まで縄を張って、雪の重みで枝が折れるのを防ぐことです。雪が積もった庭にパラソルのような雪吊りがある風景は、大変印象的です。

金沢については、過去問に「金沢の名産品」(2015)、「金沢」(2019)、らがあり、「金沢」は頻出分野と言ってよいでしょう。

もう1つは、時間帯5①の「箸」です。

平成27年度の出題をカバーした『モデル・プレゼンテーション集 過去問編Ⅳ』の「日本のお土産にお勧めのもの」において、私は箸の話を書きました。これは、ほぼ「箸」のプレゼンの解答として利用可能です。

以下、一部引用します。

Chopsticks are common to many East Asian countries. However, the Japanese have a greater attachment to chopsticks than other Asians. Chopsticks are not just A pair of eating utensils, but THE pair of utensils here. While other Asians use spoons as well as chopsticks, the Japanese use chopsticks almost exclusively, even when drinking soup.(中略)

Chopsticks also symbolize unity, because chopsticks are “hashi” in Japanese, which is a homophone for “bridge.” A gift of chopsticks for newly-wed couples is quite popular. Craftsmen put a great deal of effort into making beautiful chopsticks. Many Japanese chopsticks are lacquerware, which is another symbol of Japan.

お箸は、東アジアの国々で広く用いられています。しかし、日本人のお箸に対する愛着には、他のアジア諸国の人々と比べて特別に強いものがあります。日本では、お箸とは単なる食べるための道具の1つではなく、まさに欠かせない道具なのです。他のアジアの国々では、お箸だけでなくスプーンも共によく使われますが、日本人は何か物を食べる際、ほぼ箸のみを用いるのが通常であり、これは汁物を飲む場合でも例外ではありません。(中略)

お箸はまた、二者の結びつきを象徴しますが、それは「箸」は「橋」に通ずるからです。新婚夫婦への贈り物として、お箸は人気があります。職人は、美しい箸を作ることに精魂を傾けます。日本の箸の中には漆仕上げのものが多く、その漆器もまた日本のシンボルです。

この箸の話は、例によって私は漫画『美味しんぼ』をヒントにしました(笑)。「究極の作法」というエピソードです。マンガでは第6巻の第8話です。

この2問を加えると、今回は36トピック中、16トピックがPEPの教材だけで完全に対応できた、ということになります。