出る?「菖蒲湯」

本日11月26日は「風呂の日」(い・い・ふ・ろ)だそうです。日本は世界有数の温泉国で、日本人は風呂好きである、と言われています。

ただ、入浴を快適と感じるか、は国籍と関係ありません。よって日本の風呂は「訪日外国人観光客の関心事」(観光アトラクション)です。すなわち、全国通訳案内士試験に出題されます。これまで「銭湯」「温泉」「露天風呂」などが出題されています。

今回は、いわゆる「季節湯」のお話です。

季節湯とは、旬の植物を湯船に入れて楽しむ入浴文化のことです。5月の端午の節句の菖蒲湯と、12月の冬至のゆず湯が有名ですね。

ゆず湯は、2020年度の二次口述プレゼンテーションで出題されています。また「冬至」が2015年度に同じくプレゼンにて出題されています。

 「ゆず湯」プレゼン掲載の『モデル・プレゼンテーション集 過去問編⑭

ゆず湯の英語による紹介は、柚子自体が日本の果物なので、二重の説明が必要になります。つまり、柚子を Japanese sour citrus と説明した上(もっとも、一般には Yuzu で通ずる場合も多い)で、柚子を入れたお風呂(bath with yuzu mixed in)と説明することになります。

ゆず湯は、特に丸のままをたくさん湯船に浮かべると「インスタ映え」(このお題も2017年度にプレゼンで出題されている)することから、外国人観光客に人気のようです。再出題の可能性も高いといえます。

菖蒲湯は、未出題であり、将来、出題が予想されます。

菖蒲湯は「端午の節句」と関連があります。これまで、節句について「七夕の節句」「桃の節句」「七草の節句」は出題されていますが、端午の節句だけは未出題です。

ただ、関連過去問として「鯉のぼり」(2017年度)の出題があります。

 「鯉のぼり」プレゼン掲載の『モデル・プレゼンテーション集 過去問編⑧

菖蒲は、日本で端午の節句がお祝いされるきっかけになった事物で、上記のモデルプレゼンでは、次のように説明しています。

Tango no sekku is associated with shobu, an herb which wards off evil spirits, from the Chinese calendar custom. Since “shobu” is a homophone for “martial spirit” in Japanese, samurai families observed this day in the hope that their boys would grow up strong.

(端午の節句は、中国の暦上の習慣で、菖蒲という邪気を払う薬草と結び付けられています。日本語において「菖蒲」は「尚武」の同音異義語であるので、武士の家庭では、この日を男の子がたくましく成長するように祈る日としてお祝いするようになったのです。)

過去問を研究していると、このように知識が「ヨコに」繋がっていきます。知識がヨコに繋がると、応用力が付き、対応できるトピックの幅が広がります。

季節湯は、銭湯で気軽に楽しむことができます。こうした実用的情報は、プレゼンの最後に紹介するのが効果的です。

以前紹介した銀座のど真ん中にある銭湯「金春湯」では、さまざまな季節湯を年間を通したイベントとして行っています。