大都会に残る忍者の名

 

忍者は、クールでカッコいい日本の事物として世界的に有名です。全国通訳案内士試験二次口述のプレゼン課題でも、2015年度に「忍者」が出題されています。普遍的なお題として、再出題の可能性が高いお題といえます。

日本の歴史的事物を面白く紹介する方法のひとつとして、その歴史的事物が現在とどのように関わり合いがあるか、を述べる、というものがあります。

では現在の日本において、忍者はどこに存在するでしょうか?

これはいろいろありますが、その1つとして「地名として残っている」というのがあります。

ご存知、東京の半蔵門ですね。

皇居の半蔵門

半蔵門の「半蔵」とは、忍者の服部半蔵に由来しています。

私は、この服部半蔵のネタを「モデル・プレゼンテーション」の中で数回、用いています。1回目は、上記の2015年度のプレゼンテーション課題「忍者」の解答例です。以下、一部引用します。

One famous ninja was Hattori Hanzo. He served Tokugawa Ieyasu, (中略)  In the late 16th century, Ieyasu’s ally, Oda Nobunaga was killed in Kyoto by Akechi Mitsuhide. With only a small number of retainers to protect him, Ieyasu was in danger. Hattori Hanzo brought together his fellow local ninja to assure Ieyasu safe passage, and he escorted him back to Mikawa, Ieyasu’s home.  (中略)

After this incident, Ieyasu hired the ninja led by Hanzo. When Ieyasu established the shogunate in today’s Tokyo, he assigned Hanzo and these ninja to guard Edo Castle, the present-day Imperial Palace. Today, the name “Hanzo” is honored with Hanzo-mon, or Hanzo Gate, which is used exclusively by the Imperial family. The adjacent subway station also bears his name.

有名な忍者の1人に、服部半蔵がいます。半蔵は、(中略)徳川家康に仕えました。16世紀後半に、家康の盟友である織田信長が、京都において明智光秀により討ち取られるという事件が起きました。その時、家康はごく少数の護衛しか連れていなかったため、家康の身が危険になりました。そこで、服部半蔵が地元の忍者たちに声を掛けて協力を募り、家康を安全に通行させ、領国である三河まで送り届けたのです。(中略)
この事件の後、家康は半蔵以下の忍者を召し抱えました。家康が後に、今日の東京において幕府を開いた際、家康は半蔵以下の忍者を江戸城、すなわち今日でいう皇居の護衛の役に任じました。現在、この「半蔵」の名は、皇室家族のみが使用できる半蔵門という門の名として残っています。また、近くに地下鉄の駅がありますが、この駅の名にも彼の名前が冠されています。

モデル・プレゼンテーション集 過去問編Ⅳ』『通訳案内士試験 二次口述過去問詳解ダイジェスト(平成27年度分)

 

この「伊賀越え」のエピソードは、有名な山岡荘八の「徳川家康」にも描かれています。

2回目は、2016年の「江戸城」です。以下、引用します。

I recommend a stroll along Inui Street, which opens to the public only for a week in these seasons.  In addition to beautiful cherry blossoms or autumn leaves, you can see the original Hyakunin-Bansho, or “one-hundred security guard house,” where the famous ninja, Hattori Hanzo, served.

ぜひ、乾通りを散策されることをお勧めします。乾通りは、これら各季節の1週間限定で一般公開されます。ここでは、美しい桜の花や紅葉に加えて、現存建物である百人番所を見ることができます。ここは、かの有名な忍者である服部半蔵が勤務した場所です。

モデル・プレゼンテーション集 過去問編Ⅴ』『通訳案内士試験 二次口述過去問詳解ダイジェスト(平成28年度分)

百人番所にて(2020年1月)

 

昨年度の全国通訳案内士試験二次口述の東京の本試験会場は、大妻女子大学でした。半蔵門の近くですね。もし、忍者関連の出題があったら、受験者は「この近くに半蔵門がありますが、これは…」というふうに、ネタにできたかもしれません。

今年、もし「忍者」や「江戸城」(皇居)等が出題されたら、使ってみられてはいかがでしょうか。