サウンド・オブ・サイレンス③

先日の記事で、撞着語法(オクシモロン)の1つ「サウンド・オブ・サイレンス」を用いたモデルプレゼンのクイズを出しました。

現在まで2度出題されている次のお題の中で、私が「サウンド・オブ・サイレンス」を用いたものはどれか、という問題ですね。

里山(2019、2021)、流鏑馬(2018、2021)、鳥居(2018、2021)、鎖国(2014、2020)、除夜の鐘(2018、2020)、おでん(2015、2019)、桃の節句(ひなまつり)(2016、2019)、千羽鶴(2017、2019)、カプセルホテル(2015、2019)、渋谷スクランブル交差点(2015、2018)、鹿威し(2015、2018)、打ち水(2015、2018)、絵馬(2013、2017)、日本の城(2015、2016)、初詣(2014、2016)、厄年(2014、2016)、東海道五十三次(2014、2015)、計画運休(2019、2022)、中山道(2015、2022)、門松(2017、2022)、なまはげ(2015、2022)、恵方巻(2015、2022)、鯛焼き(2019、2022)、(秋田)竿燈まつり(2019、2022)、杉玉(2018、2022)

正解は、鹿威し(2015、2018)です。

Paradoxically, the occasional sound of the shishi-odoshi makes the visitors realize how quiet the place is. I hope you enjoy this beautiful “Sound of Silence.”

(逆説的ですが、ときどきししおどしの音を聞くことにより、参拝者はかえってその場の静寂さをより強く認識します。ぜひ、この美しい「静寂中の音」(「サウンド・オブ・サイレンス」)をお楽しみください)

モデル・プレゼンテーション集 過去問編Ⅲ』より

 

考えてみると、この「サウンド・オブ・サイレンス」(静寂中の音)は、日本文化の説明において、結構使える場面がありそうです。

前回、「山寺」のプレゼンで、芭蕉の有名な句「閑さや岩にしみ入る蝉の声」の説明に用いた例をご紹介しましたが、別の芭蕉の句「古池や蛙飛び込む水の音」も、「サウンド・オブ・サイレンス」と言えそうです。

考えてみると、俳句や茶道等の日本の芸道に見られる「わび・さび」では、「静かさ」traquility が重要な要素です。そうだとすると、通訳ガイド試験において、この修辞法は結構汎用性があるのかもしれません。

ちなみに、最近、茶道や俳句に関する出題が続いているのは、すでに御承知の通りです。

本試験のプレゼンでオクシモロンが使えたら、大ホームラン(笑)でしょうね。