プレゼン史上最難の問題組

全国通訳案内士試験二次口述のプレゼン課題では、ご存知の通り3つのお題のうち、1つを受験者が任意に選んで話をします。

準備時間は30秒しかありませんので、これを有効に使うべく、お題選択は数秒で行う必要があります。素早くお題を選ぶには、あらかじめお題を分類し、自分はどういうタイプのお題を選ぶか、視点を準備しておくことが必要です。

プレゼンのお題には、大きく分けて2つのタイプがあります。「観光アトラクションもの」と「非観光(解説もの)」です。

前者は「~をどうぞお楽しみください」と外国人観光客に対してお勧めができる事物のことです。後者はそうでないものです。

たとえば「おみくじ」というお題は前者です。後者の例としては「線状降水帯」などの時事的な概念が挙げられます。

モデル・プレゼンテーション集 過去問編17

掲載トピック一覧
1. 計画運休 2. 鳴門海峡 3. お守り 4. 接客ロボット 5. 中山道 6. 門松 7. 金の鯱(シャチホコ) 8. 海女さん 9. わさび 10. 線状降水帯 11. 漆塗り 12. 道の駅 13. 西九州新幹線 14. なまはげ 15. 俳句 16. 佐渡金山 17. 古民家 18. おみくじ

一般的に、受験者には、前者の方が取り組みやすいといえます。また、出題数の上でも、8~9割程度は前者のお題が出されています。

過去に出題された問題組を見ても、3つのお題の全てが全て非観光、という組は出されておらず、必ず1つは「観光アトラクション」が含まれています。

よって、お題選択について、最初から「自分は観光アトラクションを選ぶ」(非観光は捨てる)という戦略は、あり得るといえます。

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ただ、そうは言っても「観光アトラクションならどんなものでも必ず話せる」という境地に至るのは困難です。出題されたアトラクションについて、たまたま知識を持ち合わせていない場合は、別のお題を選択せざるを得ない、ということになります。

非観光は捨てる、という戦略を取った場合、3つのお題のうち非観光が1つあれば、選択肢は二択になります。非観光が2つであれば、一択になります。この場合、当該お題について知識がないと、アウトになってしまいます。

そこで、過去出題された個別の問題組において、この「非観光が2つ」という難問の組があるか、が問題になります。

実は、こうした厳しい問題が1組だけあります。2018年度の時間帯1です。

①正倉院 ②集団登下校 ③働き方改革

2018-19 全国通訳案内士試験 二次口述過去問詳解ダイジェスト

この問題組では、観光アトラクションは、①正倉院のみで、残りの2つは、共に非観光です。

唯一アトラクションである「正倉院」も、かなりピンポイントな知識が要求されます(かりに広く「東大寺」ならより容易)。

この問題組は、史上最難の問題組だといえるかもしれません。

逆にやさしい問題組は、3つとも典型的なアトラクションであるものです。こちらはいくつかあります。

例1
①ひなまつり ②日本の世界遺産 ③江戸城 (平成28年度の時間帯2)

全国通訳案内士試験 二次口述過去問詳解ダイジェスト(平成28年度分)

例2
①大相撲 ②ちらし寿司 ③門松 (平成29年度の時間帯4)

平成29年度通訳案内士試験二次口述過去問詳解下巻

このように過去問を見ていくと、合格ラインというものがどこにあるか、が徐々に見えてきます。

合理的な受験準備において優先順位が大切だとすれば、プレゼンの場合、優先すべきは「典型的・普遍的な観光アトラクション」です。中でも複数回、繰り返し出題されているものが要注意です。

二次口述特別動画セミナー」の講義レジメ(スイカのレジメ)には、1度出題されたもののうち、普遍的と考えられるもののお題がリストアップされています。

このレジメは、無料で公開されています。よければご覧ください(上記リンクのページにあります)。