前回、私は将棋界の例を挙げ、英語学習でChatGPTを活用するには、これを道具として使うのが大切、と延べました。
今回は、その具体的方法です。
先日、私は新刊『モデル・プレゼンテーション集 過去問編17』を上梓しました(現在限定予約受付中。詳細はメルマガをご覧ください)。
これを執筆する中で、私はいろいろChatGPTの利用法を模索しました。
最初は、「ChatGPTを使う①」で述べたごとく、ズバリ、ChatGPTに「中山道」のプレゼンを書かせてみました。
するとたしかに、数秒である程度のことをかなり器用にスラスラと書き上げるので、最初は正直驚きました。
しかし、私としてはChatGPTの書いた文章をそのまま「自分の文章です」と言って発表する気には到底なれません。私には、私が書きたいことがあるのです。
結局、私が書いた「中山道」のプレゼン(『モデル・プレゼンテーション集 過去問編17』掲載)は、ChatGPTのものとは、全く異なるものとなりました。
そこで、私はChatGPTを、自分のコンサルタント、アシスタント、ないし秘書として使う、という方針を採りました。
具体的には、次のようなことをやらせました。
(1)和訳文をチェックさせる
私は『モデル・プレゼンテーション集』のプレゼンを執筆する際、英語で書き、それを後に和訳する、という方法を採っています。自分で書いた英文ですから、解釈間違いをすることはないのですが、うっかり訳洩れを起こしてしまうことがあります。
自分で書いた文章なので、内容が頭に入っているからこそ、訳出していないのに訳出してしまったかのような錯覚を起こすことが原因です。これをChatGPTにチェックさせます。
またChatGPTは、訳語の他の可能性のサジェスチョンもしてくれます。和訳の語彙選択については、おおむね私の方がChatGPTより上だと思っていますが、ときどき「なるほど。こっちの言葉の方がいいな」と思うこともあります。これは、将棋界で棋士がAIに最善手の可能性を尋ねるのと似ていますね。
文章を推敲する際、「第三者の目を通す」というのは非常に有効・大切なのですが、優秀なチェッカーを探すのは大変ですし、雇うのはお金もかかります。この点、ChatGPTはお金もかからず、しかも何度やり直しを命じても、細かい注文を付けても、一切嫌な顔をしません。ChatGPTはまさに、優秀な私設秘書になり得るわけです。
なお、私は上記の逆、すなわちChatGPTに英文を丸ごと和訳させ、それを私がチェックして和訳文を完成する、という方法はほとんどやりません。理由は、和訳については、少なくとも現在のところ、スピード以外は私の方がChatGPTより実力は上であり、和訳も「作品」の1つだからです。
(2)英文法の説明をさせる
私は『モデル・プレゼンテーション集』のプレゼンを書く際、英文を書いて、ネイティブに校正してもらいます。その際、校正されて帰ってきた英文について、ごくたまに文法上の疑問を生じることがあります。
校正をお願いしているネイティブに質問することもできるのですが、ネイティブは意外に日本人が日本の学校で習っているような英文法の知識がなく、上手く説明ができない、ということがあります。こんな場合に、ChatGPTに説明をお願いし、例文の提示を求めることができます。
英文法の知識は普遍的なものなので、ChatGTPの得意分野にあるように感じられます。また、ChatGPTは、英語の情報量の蓄積が多く、作文は上手なので、例文の自然さや文法的な正しさは、わりと信頼できるように思います。コンサルタントとしてのChatGPTの利用ですね。
(3)基礎情報を与えた上で会話文を生成させる
これは、先の記事「実務質疑のモデル会話をChat-GPTで作成してみた」にて、実験し、わりとうまくいきました。
つまり、「自分以外の人の視点を導入したい」という要請が生じた場合、ChatGPTは非常に便利なのですね。
皆さまは、ChatGPTをどのように使いますか?