こんにちは。杉森です。
全国通訳案内士試験二次口述のプレゼンテーションは、「外国人観光客の関心事」について、受験者に2分の英語で説明させるもので、まさに本試験の中核となる課題です。
二次口述の過去問を見ると、本当に大変な課題だな、というのがわかります。ただ、それと同時に学ぶことも多い課題です。
さて、それではどのようにこの課題の準備をすればよいでしょうか。
私が提唱しているのが、表題の「守破離(しゅはり)」に則った演習方法です。
守破離とは、Wikipedia に以下のように説明されています。(以下引用)
守破離は、日本の茶道や武道などの芸道・芸術における師弟関係のあり方の一つであり、それらの修業における過程を示したもの。
日本において芸事の文化が発展、進化してきた創造的な過程のベースとなっている思想で、そのプロセスを「守」「破」「離」の3段階で表している。
ー中略ー
例(落語)
守:古典落語を忠実に表現することができる。
破:古典落語をより面白くアレンジすることができる、あるいはよりわかりやすく表現することができる。
離:経験を活かし新作落語を作ることができる。あるいは、落語から進化した新たな芸風を作ることができる。
(引用終わり)
つまり、いろいろな「芸」(技術、アート)を身に付けるためには、まず最初は、自分の選んだお師匠さんや教科書の言うこと(古典)を素直にインプット、コピーするのが大切だ、というのが「守」です。
一定のインプットが完了すると、その「芸」を貫く「原則」のようなものが把握できるようになる。この原則に従って、古典にアレンジを加える。これが「破」です。
そして最終的には、そのジャンルにおける自分のオリジナル作品を創造することができる段階に達する、これが「離」です。
プレゼンテーションは、要するにパブリックスピーキングのことですから、これは立派な「芸」に該当します。
ちょうど、同じ「話芸」である落語の例が上に挙げられています。この「落語」の部分を「プレゼン」に置き換えてみると分かりやすいと思います。
このようにして、プレゼン学習に「守破離」の原則を当てはめることができる、という考えが成立します。
さて、それでは具体的にどのように「守破離」をプレゼン演習に当てはめればよいのか、については次回、お話することにいたします。
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