既にご案内の通り、先の2月3日(金)、2022年度の全国通訳案内士試験最終合否発表がありました。
官報号外(令和 5年2月3日)に合格者の受験番号及び氏名が公表されています。
官報は、30日間だけ無料で閲覧ができますので、合格の記念に必要な方は、各自でPDFをダウンロードして保存ください。
国家試験合格記念に、特定の紙版の官報を買う人もいるようです。都道府県に1つある販売所に出向くか、郵送希望の場合はメールで申し込み、振り込む、というちょっとアナログな方法(笑)。紙版は在庫に限りがあるそうなので、欲しい方はお早めに。東京の場合、東京都官報販売所、というところが扱っているようです。1部で百数十円と普通の新聞程度の価格ですから、買うのもいいかもしれませんね。
JNTOのホームページには、受験者及び合格者数、合格基準が発表されています。
合格された皆さま、おめでとうございます。
また、PEPへ結果報告いただいた皆さま、ありがとうございます。全ての方に対して個別のお返事はできておりませんが、全てありがたく拝見しております。
結果報告はまだ受け付けております。PEPの教材等でご利用いただいたもの、その感想などお書きいただければ嬉しいです。
さて、本年度の試験の状況ですが、分かりやすくするために英語だけに絞ると、結果は次のようになっています。カッコ内は前年度の数字です。
受験者数:2,594人(2,955人)
第1次合格者数:946人(550人)
第1次合格率:37.4%(19.1%)
第2次受験者数:923人(575人)
第2次合格率:49.0%(43.7%)
最終合格者数:452人(251人)
合格率:17.4%(8.5%)
全体的にみると、最終合格者数と合格率は、共に2倍近いアップです。ここ数年、最終合格率は10%に満たないことが多かったことを考えると、以前より受かりやすくなっているのは確かです。
ただ、このアップは一次筆記試験の合格率が大幅に上がったことによるものであり、二次口述の合格率はあまり上がっておりません。
この数字から読み取れることは何か。私は次のように考えます。
(1)再び合格者を増やし、通訳ガイドの新規参入を促す、という政策的意図
⇒外国人観光客が戻ってきて通訳ガイドが不足している、という現状から
(2)ただし有資格者を無資格者と差別化する、という政策的意図
⇒実務能力を重視する二次口述のレベルは落としていない
通訳ガイド試験の合格難易度が政策に大きく影響されることは、歴史が証明しています(東京五輪が決まった2013年から独占業務廃止が決まった2018年までは、合格者が激増し、その後は五輪終了の2021年度まで、どんどんダウンした)。
現状は、①受験者が少なく、②合格率が上昇、③一次筆記は受かりやすくなったが二次口述のレベルは落ちておらず、④合格後の新規参入は比較的容易になった、ということですから、真面目に取り組む人にとっては、今がチャンスである、といえます。
全国通訳案内士試験は、実力がないと受からない、実力があったとしても受からないことがある、依然として難関試験です。しかし、それだけに得られる資格の価値・評価は高いといえます。
また、ライセンスの価値とは別に、日本文化とその発信について学ぶことができかつ英語力も高められる等、この試験は大変意義深いものだということができます。
今回残念だった方も、ぜひ初志貫徹されることをお勧めいたします。
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