全国通訳案内士試験二次口述のプレゼン課題では、実に広いトピックが出されます。
これを即興で、英語で、2分間の話にまとめ上げるのは、本当に大変なことだと思います。
対策法としては、①基本的な知識を押さえる、②パターンを理解する、③知識をパターンに組み込む演習を繰り返す、の3つとなります。
まず、①について。何がガイド試験的に基本的か、は過去問で決まります。よって、過去問の中から普遍的なものを選んでインプットする、ということになります。
今回は、過去問の中から「漆器」(H27、28出題)を例に取り上げてご説明しましょう。
「漆器」は、本年度の予想トピックの1つです。その理由は「二度あることは三度ある」からです。この話については、PEPブログのこちら「プレゼン予想①2度あること…」の記事をご覧ください。
プレゼンのお題を与えられて最初にすべきことは、そのお題の分類と分析です。
漆器は、外国人観光客にとってお土産アイテム等になるものですから、これは「観光アトラクション」というカテゴリーに分類されます。
そして、漆器にはさまざまな種類がありますから、これは「開いたトピック」というカテゴリーにも入ります。
この「観光アトラクション」「開いたトピック」といった分類・分析の視点については、二次口述特別セミナーの第6講「プレゼン①理論編」で詳しく解説しています。
さて、この「観光アトラクション&開いたトピック」は、通訳ガイドのプレゼンで、最も典型的なものです。この分類ができた瞬間、パターンの活用(②)により、話の構成が以下のように決まります。
トピック告知⇒定義⇒一般説明(由来など)⇒具体例(「津軽塗」など)⇒再抽象化(「このように漆器は魅力あるものです」等)⇒お勧め・結辞
上記のうち、「具体例」以外の部分は、汎用性が高いので、しっかりと覚えておくことが必要です(①)。
そして、「具体例」の部分は、何か1つを自分の「得意ネタ」として持っていれば足ります(日本中の全ての漆器を知っている必要はない)。その長さは1分です。この「1分ネタ」を各分野につき蓄えることが大切です。
このように、過去問から得た知識を自分のものとして、これをパターンにはめ込む演習をする(③)ことにより、プレゼン対策を有効に行うことができます。
なお、「パターンにはめ込む」という言葉に「何か安直な感じがして嫌だ」と抵抗を感じられる方に対しては、私は「テンプレは恥ではなく役に立つ」という話を、これまた「二次口述特別動画セミナー」にてしています。
無料で公開している講義レジメにも載っていますから、よければご覧ください(概要ページ)から無料ダウンロードできます)。
「漆器」のプレゼンテーション例は、私は3種類書いています。
『モデル・プレゼンテーション集 過去問編3』(具体例:木曽平沢漆器)
『モデル・プレゼンテーション集 過去問編6』(具体例:津軽塗)
もう1つは、具体例を出さずに漆器の手入れの仕方等を詳しく説明する、というプレゼンを書いています。
二次口述本試験まで、あと95日!