前回までの記事で、通訳ガイド試験二次口述対策に即着手すべきこと、その具体的方法の1つとして、プレゼン課題対策の第1歩「タイマー音読」という方法をお伝えしました。
今回は、もう1つの課題「外国語訳」(通訳)についてお話します。
まず押さえておくべき点は、「通訳」とは、言語活動として極めて特殊なものであり、プレゼンや質疑とはその性質が大きく異なる、よって対策も異なる、という事実です。
プレゼン課題では、知識、英語力、構成力、といった要素が大切で、これらをインプットすることが対策法でした。
しかし、通訳課題で最も大切なのは、知識や英語力ではありません。実は驚いたことに、大切なのは「日本語を聴く力」なのです。
こう聞くと、「え~!どういうこと?」と思われる方が多いでしょう。「通訳って英語の勉強でしょ?英語が重要でなく、重要なのは日本語だ、とはどういう意味?」「日本語は母語なんだから、リスニング力に問題など生じないよ!」等々、反応が返ってきそうです。
この点については、「二次口述特別動画セミナー」の「第3講:通訳①理論編」及び書籍『逐次通訳七番勝負!』にて、詳しく説明しています。
当該講義は、一部無料公開しており、こちらでも視聴できます。
さて、通訳課題対策の具体的方法ですが、上述の「日本語を聴き取る力が大切」という点を理解して、聞き取り能力を高める訓練をすることです。そのための有力な方法の1つが「リテンション・リプロダクション」です。これは、日本語の問題文を聞いたら、それをオウム返しに言う、という訓練法です。
これが非常に効果の高い方法である、という点については「二次口述特別動画セミナー」の「第4講:通訳②演習編」で、証拠映像による立証を行っています。
上述の証拠映像でも見られますが、日本語を聴き取る、という力がついたら、通訳は実は割とすぐ簡単にできます。ウソではありません。百聞は一見に如かず。ぜひご覧ください。
この「通訳理論の理解と日本語の聞き取り能力の涵養」は、通訳の基礎になるものですので、ぜひ今すぐ始めていただきたいと思います。本番直前になって初めて理論の勉強を開始するのでは、演習時間が十分に取れず、ライバルに後れを取ってしまいます。
聴き取りができるようになったら、後は通訳の経験量を積むべきです。つまり演習ですが、この場合、問題文を誰かに読み上げてもらう必要があります。
問題文は、過去問が無料で入手できます(PEPのホームページで閲覧可)。ただ、読み上げを人に頼むのは、やはり人を拘束するので、コストがかかります。かといって、自分で読上げて録音・再生するのは、教材を作る時点で学習者が問題文をあらかじめ見てしまうことになり、「初見」での演習が不可能となります。
そこで良いのが、教材作成のプロが読み上げ・録音したものを、ネット上でシェアする、という方法です。これならコストが下げられます。興味のある方は、「PEP動画ホーダイ」をご覧ください。
以上のように、通訳課題の対策は「理論の理解⇒演習」という流れで行います。通訳では、プレゼンのような「広い知識のインプット」は、重要度が低いのです。
よって、通訳で「何が出るか」と血眼で予想を立てるのは、あまり意味がない、といえます。それはせいぜい、予備校に任せておいて、受験者は演習に専念すべきです。
▶PEPニュース
・二次口述特別動画セミナーは、理論から演習へ、を原則にしています。
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