合格基準点の調整

今年度の全国通訳案内士試験の一次筆記の後に書いた先日の記事で「即二次口述に着手しよう」という内容は、読者の皆さんから結構反響がありました。

「一次の合否は分かりませんが、とにかくすぐに二次対策に取り掛かります!」とメールをくださった方も、何人かいらっしゃいました。

はい、試験に受かるのは「やる人」だけ、です。

私の主張は、一次筆記の結果に全く関係なく(極端な話、自己採点がたとえゼロでも)一次が終わったら二次をやるべし、ということです。

理由は、昨日引用した、「二次口述特別動画セミナー」の講義レジメの「第1項」項目4をご覧ください。この部分の講義及びレジメは概要ページにて無料公開されています)。

ただ、自己採点がボーダーライン上だった人は、このレジメで挙げた理由のうち、①試験は水もの(「絶対ダメ」と思ったが受かっていた、というケースがある)が特に気になってしまうようです。

つまり、いくら私が「たとえゼロでも」と言っても、やはり一次に受かっている可能性がある、と確信できれば、モチベーションも上がる、ということなのでしょう。

そこで、今回は合格基準点の事後調整についてお伝えします。つまり、事前に試験実施側が提示した「6割」「7割」といった基準点は、事後的にどのくらい変わるのか、ということですね。別の言い方をすれば、自己採点で5割とか4割とかしか取れなかった人が受かる可能性はあるか、ということです。

結論を言えば、可能性はあります。

まず、事後調整をすることがある、という点は、ガイドラインにも明記されていますし、これはすべからく「選抜試験」というものの常識でもあります。

たしか、5、6年前のガイド一次筆記で、一般常識の平均点が極端に低かったので、自己採点で4割程度の人が、一次筆記を通過した、というような話があったと記憶しています。

合格基準点というのは、試験実施側がかなり政策的に事後的にいじることが普通にあります(事後調整がない試験は、運転免許の試験など、むしろ少数派)。

もちろん、「4割でも受かった」という話は、また聞きであり、しかも受験者の自己採点(主観)に基づいている、という点で、数字にどのくらい信憑性があるかはわかりません。しかし、事後調整があるのは紛れもない事実です。

それから、もう1つ紛れもない事実。それは、毎年のように、11月の一次合否発表の後になって「今年は絶対ダメだと思ってたので何にもしないでいたら、一次に受かってしまってた!二次まであと3週間しかない。どうしよう!」と慌てる人がいる、ということです。

試験では、「やる人」には合格可能性があり、「やらない人」にはない。極めて単純な真理です。

こういうお話を、私は毎年、「二次口述動画セミナー」の冒頭「第1講」でしています。

私は、これを「PEP talk」と呼んでいます(”pep” とは「元気」「活力」の意味。「ペプシ」と同じ語根)。

I’ll give you a pep talk. (気合を入れてあげよう)

もちろん、二次口述動画セミナーは、技術論もちゃんと話していますよ(笑)。下がその例。

 

ではまた。

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